約1ヶ月間隔が空きましたが、皆さまいかがお過ごしでしたでしょうか?
今年は雨が少なくて仕事的には助かったんですが、梅雨を飛び越えていきなり暑くなりましたからね、、、
なんか最近の異常気象ってよく分かんないです。…大丈夫かいな?地球?
…ってことで、先週に引き続き、
「水道修理依頼の電話、勝手にベスト10」を発表したいと思います。
第1位、メーター漏水
第2位、洗面所、台所の水漏れ
第3位、蛇口の交換
第4位、トイレの出流れ
第5位、洗面所、台所の排水詰まり
第6位、トイレの詰まり
第7位、屋外配管の高圧洗浄
第8位、温水洗浄便座の取付(交換)
第9位、給湯器の交換
第10位、便器や洗面化粧台、洗濯パン等の衛生器具の交換
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7位「屋外配管の高圧洗浄」
今日は配管の高圧洗浄について、少し書いていこうと思います。
…まず僕らのやっている修理の業務って、大きく分けて2種類あるんですが、
皆さま、お分かりでしょうか? …そう、ずばり「水」と「排水」です。
ざっくり言うと、蛇口を取り替えたり、漏水を修理したりするのは「水」に関する修理で、
詰まりを直したり、勾配不良の配管を修理したりするのは「排水」の修理なんですね。
で、その排水に関する修理の中で、最も多いのが「詰まり」の修理なんです。
まぁ詰まりと一言で言っても、簡単な修理から大変な修理まで色々な詰まりがありまして、
ホームセンターで売ってるラバーカップと呼ばれる棒で突くだけで直るような、
簡単なトイレの詰まりから、配管にビッシリと油汚れが詰まっている台所の詰まりまで、
全てをひっくるめて、「詰まりの修理」になります。
で、肝心なのは、一体何が原因で詰まっているのか?という点なんですが、
「ティッシュペーパー」「植物の根っこ」「油汚れ」「勾配不良」
この辺りが原因となって詰まっていることがほとんどです。
排水が詰まっていると、トイレにも行けないし食事の準備をすることも出来ないので、
呼ばれた時点で、ご入居者様はすごく困っている時がほとんどです。
そんな時に役に立つのが「ピーピースルー」「カンツール」「高圧洗浄機」という3種の神器です。
ピーピースルー
「ピーピースルー」というのは、簡単に言えば何でも溶かす業務用の強力な薬剤で、
使用法さえきちんと守れば、個人で買って使うこともできます。
主に、洗面化粧台、台所、洗濯、風呂なんかの雑排水の詰まりで大活躍します。
これとは別に、男子トイレの小便器なんかの場合、尿石がこびりついてる場合があり、
この場合には「デオライト」という別の薬剤があるのですが、デオライトについては
僕たちでさえそんなに使用機会もなく、学校や商業施設以外では需要がないのでやめときます。
あと、念のために補足をしておきますが、ピーピースルーにせよデオライトにせよ、
詰まり解消系の薬剤には、有毒なガスが発生するものが多数あります。
また、直接触ると皮膚が炎症を起こしたり、火傷、失明の恐れもある非常に危険な薬品も多いです。
必ず使用上の注意をよく読んで、換気の良いところで、正しく使用してくださいね。
カンツール
次に「カンツール」という道具ですが、これは太めのワイヤーをグルグル巻きにした道具で、
詰まっている場所までワイヤーを押し込み、詰まりの原因となっている物を砕く道具です。
もちろん一般の方はお持ちでないと思いますが、高価な商品ですし、使用機会を考えると、
買う必要は一切ないと思います。もし、自宅のトイレや洗面所がしょっちゅう詰まるので、
カンツールとまではいかなくても、何か似たような道具が欲しいという方がおられましたら、
家庭用の代用品として短いワイヤーがホームセンターで売られていますので、
もしもの時に備えて持っておくのは良いかもしれません。
別名「パイプクリーナー」や「ドレンクリーナー」とも呼ばれていますので、
気になる方は検索してみてください。多分2,000円~3,000円で売っています。
高圧洗浄機
で、最後に本日一番話をしたかった高圧洗浄機!これが最強の機械になります。
高圧洗浄機というのは、細いホースの先端に噴射口が付いた機械で、
ここに大量の水を機械で送り込み、配管内を綺麗に洗浄してくれる特殊な機械になります。
マンションにお住いの方だと、年に1回くらい配管洗浄のお知らせが届くかもしれませんが、
その時に業者が使っている機械になります。
ホースの先端から噴射される水圧はとても強く、ガチガチに固まった油汚れなんかも砕いてくれます。
これで解消出来ない詰まりはほとんどありませんが、強いて弱点を挙げるとすれば、
結構な作業スペースの確保と、騒音、あと細く曲がりくねった配管の洗浄は出来ない場合があるということくらいです。
排水詰まりを防ぐには?
…で、ここまで書いておきながら言うのもなんですが、実は排水詰まりの多くは、
普段、きちんと水廻りの設備を適正に使っていただくことで、ほとんどの場合は防ぐことが出来ます。
例えば、先日、トイレの流れが非常に悪いというお申し出をいただいて修理に伺った現場では、
建物の外にある桝と呼ばれる排水管の点検口(掃除口)の蓋を開けると、排水がひたひたに溜まっていました。
原因は何だろう…?と、配管内にカメラを入れて調べてみると、詰まりの先頭には、大量の白と茶色の塊!?がありました。
…そうなんです、これティッシュペーパーなんです。トイレットペーパーじゃないですよ。
話を聞くと、どうやらトイレットペーパーを切らして、ティッシュペーパーを代用して使っていた時期があったそうで、
もちろんそれだけですぐに詰まる訳ではないんですが、ここに、
「勾配不良」や「節水型トイレによる少量の水」「排水の流れが遅くなる、配管の継手や曲がりの部分」等の悪条件が重なると、
こんなティッシュペーパーの塊でさえ詰まりの原因になるということなんです。
で、結局このトイレの詰まりは、建物の外で高圧洗浄機を使い、内部カメラによる確認をして完了いたしました。
(料金は40,000円+交通出張費2,000円の、合計42,000円を請求させていただきました。)
また、ある時は「台所の排水が全く流れなくて、シンクの上の方まで水面が上がってくる」というお申し出をいただき、
見に行った現場があるのですが、これは完全に油が配管の中にパンパンに詰まっていました。
この時ばかりは、高圧洗浄でどうこうなるレベルではありませんでしたので、機械で取れる範囲は高圧洗浄をかけ、
残りの部分は床下に潜って配管を切り取り→新品にやり替えました。
ちなみにこちらの料金は、合計で2日間かかったことや、床下の配管作業があったため、
材料費8,000円、高圧洗浄40,000円、配管工費40,000円、交通出張費4,000円の、合計92,000円を請求させていただきました。
こちらもお客様に事情を聞きますと、普段から揚げ物や炒め物の残った油をダイレクトにシンクに流し、
カップ麺の残り汁や食べ残し、残飯なんかも、気にせずに排水に垂れ流していた、とのことでした。
…そら詰まるわい!と思いましたが、ほんとにエグかったんですよね、詰まりが。
あと、このお客様の家は、実はトイレも詰まってまして、聞くと、最近は台所の流れが悪くなってきたので、
トイレにも油を流していた、と仰っていました。
皆様の中にもおられませんか?カップラーメンの残り汁をトイレや台所に流す人。
あれ、全然よくないですよ。賃貸マンションで、どうせ詰まっても管理会社が修理費を出してくれるから…
とかいう問題ではなく、SDGsの観点からも油の直接排水はやめてくださいね。
正しい油汚れの処理方法は、市販の油処理剤(固めるテンプル的なやつ、100均にも売ってます)で、
油を固めてから、可燃ごみとして処分する方法ですが、フライパンの油汚れ程度なら、
出来れば温水を多めに使いながら、食器洗い用洗剤で洗い流してください。
カップ麺のスープなんかも、吸水性ポリマーで固めて可燃ごみで処分するのが理想ですが、
無ければ気合で飲みきってくださいwww体に悪いですが。
ということで、弊社では、高圧洗浄機を2台保有しており、また協力会社にも詰まり専門の業者を
複数抱えておりますので、「弊社に直せない詰まりはない!」と自負しております。
無論、詰まりの原因が配管勾配や、配管の破損、植物の根っこによるもの等、
その後の修繕工事が必要な、ハードな詰まりに関しては、別途、それなりの費用が発生する場合もありますが、
それでも他社と比較をすると、割と安くさせていただいてると思っています。
40,000円~100,000円(高圧洗浄+カメラ調査費のみ。その後の修繕工事が必要な場合は別途)
くらいの費用で済む場合が多いので、詰まりでお困りの場合は是非お声掛けください。
8位「温水洗浄便座の取付(交換)」
次に、温水洗浄便座の取付について書こうと思います。…が、その前に一言。
「温水洗浄便座」って、よーするにウォシュレットのことでしょ?と思っているあなた!
ウォシュレットという名称は、実はTOTOの登録商標なので、
設備屋さんはあの便座のことを必ず「温水洗浄便座」と呼んでいます。
ちなみにLIXILでは「シャワートイレ」、パナソニックでは「ビューティートワレ」と呼びます。
みなさんがお住いのご自宅のトイレは、恐らく洋式便器がほとんどだと思いますが、
温水洗浄便座は付いていますでしょうか?
ちなみに私の家にはついています。…というか、家を建てた時に自分で付けました。
僕は温水洗浄便座がないと絶対にダメな人で、無人島に一つだけ持っていけるとしたら何を持って行きますか?、
って聞かれたら、即答で温水洗浄便座って答えます。
そして、電気が無くて使えなくて、葉っぱで拭きます。(汚い!)
温水洗浄便座の良い所は、簡単に後付け出来るところなんですよね。
商品さえ買えば、割と自分でも簡単に取付できます。
それこそYouTubeのやってみた系の動画で結構ヒットします。
温水洗浄便座の種類・選ぶポイントは?
問題は、どの便座が良いの?ということで、ここは個人の考え方で結構悩むところです。
絶対温水洗浄便座主義!の私としては、便座選びのポイントとして大きく4つあると思っています。
・「瞬間式」「貯湯式」なら、迷わず「瞬間式」を選ぶべし!
・「壁付けリモコン」はあった方が便利!
・小便の「立ち派」「座り派」、あるいは「家族構成」によって
「便座の自動開閉機能」を選ぶべし!
・オート洗浄機能はいらない!
という点です。
「瞬間式」と「貯湯式」
まず、順番に解説をしていきますと、温水洗浄便座には「瞬間式」と「貯湯式」の2種類があります。
これは冬場に温水を作る機能が備わっていて、そのお湯の作り方の違いによります。
瞬間式は、文字通り水を瞬間的にお湯に変える能力があり、貯湯式は、予めお湯を沸かして貯めておく方式です。
貯湯式は、一度に大量にお湯を使うと湯切れを起こしてしまうので、家族が多く、使用頻度が高いご家庭の場合や、
念入りに洗いたい人なんかの場合には向かないです。が、その分初期費用が安く、納期も早いです。
デメリットは湯切れと、ランニングコスト(電気代)の悪さになります。
というのも、使わない時も常にお湯の温度を維持しておかないといけないので、
瞬間式に比べると電気代がどうしても割高になります。一般的に年間で2,000~3,000円は変わってきます。
あと瞬間式に比べると、商品自体がちょっと大きくてなんとなく見た目がダサいです。
それに比べると、瞬間式は初期費用が高いのがデメリットですが、その分ランニングコストが良く、湯切れの心配がありません。
また、初期費用が高いといっても、約10年間使用をすることで、その電気代のコスパの良さによって、
トータルの費用は、貯湯式と比べて安くなります。
ただし、昨今は世界的な半導体の供給不足により、瞬間式の温水洗浄便座が品切れになっています。
これを書いている今も、瞬間式をご希望されているお客様が複数おられまして、
納品を待っていただいてる状態になります。最短納期で約2週間、
商品によっては、納期未定という商品もたくさんあります。
今年の3月にご注文をいただいたお客様で、ようやく7月に商品が入ったというお客様もおられました。
私個人の考えとしては、少々納期とお金がかかったとしても、瞬間式にこだわるのが良いと思います。
ちなみにネットで売っている20,000円以下の商品は、ほとんどが貯湯式の商品になりますので、
安くて納期が早いからといって安易に飛びつかずに、まずはお湯を作る方式を確認してください。
瞬間式の温水洗浄便座は、一番安い商品でも定価が60,000円以上します。
弊社では、瞬間式の標準的な温水洗浄便座をお取り付けする場合で、
材工の費用がだいたい50,000円~70,000円になることが多いです。
「壁付けリモコン」
次に「壁付けリモコン」についてですが、これはあった方が絶対にいいです。
毎日、何回も使う商品になりますので、操作ボタンは出来るだけ使いやすい位置にあった方が
ストレスが少なくて済みます。あと、便座の右手に付いてるボタンってやたら小さいですし。
ちなみにリモコン式の温水洗浄便座の取付も、頑張れば自力で出来ます。
非リモコン式に比べると少々手順がややこしいですが、気合でカバー出来るレベルです。
便器のレバーの部分をリモコン洗浄に対応したレバーに入れ替えるのが少々手間ですが、
YouTubeを見ながら気をつけて施工をすれば、そんなに難しい作業ではありません。
興味があれば、温水洗浄便座の取付にチャレンジしてみてください。
「便座の自動開閉機能」
最後に、便座や蓋の自動開閉機能ですが、これは小便を立ってするか、座ってするかによって選ぶべきだと思います。
女性の方は便座を上にあげることがないと思いますので、不要な機能になると思いますが、
男性の場合は、便座の上げ下げを大か小かによって使い分けないといけないと思います。
さほど潔癖症の人でなくとも、便座を触るのには多少の抵抗があると思いますが、毎日のこととなると尚更です。
また、家族構成よっても左右されると思います。
例えば、夫、妻、長男、次男、三男という5人家族の場合、男性が4人もいることになります。
皆、お母さんのことを考えてくれる心優しい男性ばかりだと助かるのですが、なかなかそうはいかないもの。
基本、トイレに入るたびに便座を手で下げないといけない状態になっていると思ってください。
そんな時、ボタン一つで便座や蓋が開閉出来る機能が付いていたら助かりますよ。
…ただし、むっちゃくそ高いです。
普通の瞬間式の商品が3万5000円~5万円くらいで売られていたとすると、
オート開閉機能が付いただけで、商品代が10万円~15万円くらいに跳ねあがります。
お金に余裕がある方は是非とも付けたい機能になりますが、結局のところ、
世の中、金ってゆー結論に落ち着きそうで。いやー世知辛い。
ということで、本日は排水詰まりと温水洗浄便座について書きました。
暑さとコロナ禍で大変な毎日が続きますが、どうか皆様の水環境が快適でありますように。