どうも、ご無沙汰しております。
毎日暑い日が続きますが、皆さまいかがお過ごしでしょうか?
先月に引き続いて、水道修理について勝手に語っていこうと思いますw
Contents
「水道修理依頼の電話、勝手にベスト10」
第1位、メーター漏水
第2位、洗面所、台所の水漏れ
第3位、蛇口の交換
第4位、トイレの出流れ
第5位、洗面所、台所の排水詰まり
第6位、トイレの詰まり
第7位、屋外配管の高圧洗浄
第8位、温水洗浄便座の取付(交換)
第9位、給湯器の交換
第10位、便器や洗面化粧台、洗濯パン等の衛生器具の交換
第5位、洗面所、台所の排水詰まり
第6位、トイレの詰まり
…と言いながら、実は書きたかったことの8割くらいは、前回のブログに書いてしまいました。なので、あんまり書くことがありません。
前回の記事>> https://u-uekou.jp/1930/
しかしながら、詰まりだけでこれだけランキングに食い込んでくるということは、裏を返せばやはりそれだけ数多くの方が排水の詰まりでお困りだということ!
これは由々しき問題ですよね。是非とも更に掘り下げてみましょう。
排水管はなぜ詰まってしまうのか
まず、何故ゆえに排水管は詰まってしまうのか???
そこには必ず原因がある訳なんですが、私の経験上、水廻りの場所によって原因は大きく異なります。
・台所
… 圧倒的に油汚れ!次点で、異物混入や勾配不良。
・トイレ
… 古い家の場合、コンクリート桝の劣化、或いは施工時の勾配不良!
… 新築の場合、節水型便器+勾配不良!稀に異物混入。
・風呂、洗面、洗濯
… 日常的な使用上の問題。もっと掃除をしてください!次点で勾配不良。
その他、イレギュラーな原因としては、
・屋外(特に植栽内)にある桝の中に、植物の根が混入!
・ダブルトラップ(古い家の場合)
・衛生器具の故障、或いは地盤沈下等の外的要因による配管の損傷
・通気不良、或いは合流地域の豪雨による一時的な要因
ざっと上記に羅列した原因で、全体の9割くらいを占めていると思います。
台所の油汚れに関しては、前回のブログの高圧洗浄の話で触れていますので、そちらをご覧になっていただければと思いますが、
前回の記事>> https://u-uekou.jp/1930/
特筆すべきは、全般的にちょくちょく出てくる「勾配不良」という言葉。
これ、即ち「新築の時からそもそも施工が悪かった」ということを意味します。
…ここでちょっと当たり前のことを聞くんですが、
そもそも排水ってどこに流れているかご存知でしょうか?
全ての生活排水は、最終的に建物の外で1本の配管にまとまって、「最終桝」という点検口に流れています。
浄化槽という特殊な設備が備わっている家を除いて、ほとんどの家やマンションには、
敷地内に最終桝と呼ばれる小型のマンホールのような丸形の点検口があります。
※直径20~30㎝くらいの塩ビ製の蓋や、鋳鉄製の蓋に「おすい」とか「公共」とか書いてあるのがそれです。
建物内で発生した排水は、床下や地中にある排水管を通って、必ず最終桝に流れ着きます。
排水は、重力のままに高い所から低い所に流れていく自然の力を利用して流れていますので、その配管経路の道中で、勾配が悪い上り坂のようになっている部分があれば、当然そこで詰まってしまいます。
配管の口径にもよりますが、一般的には、下り坂の勾配は1%~2%程度が良いとされています。
建築工事中に、この排水管を床下で転がしたり、建物の外の地中に埋めたりするのですが、人間のすることなので、たまにきつめの勾配(2%以上)で配管してしまったり、逆に上り坂の部分を作ってしまったり、、、とにかく施工不良を起こしてしまうことがあるのです。
大抵の場合は、ハウスメーカーの排水検査であったり、役所(下水道局)の排水検査なんかで施工不良が見つかり、お客様にお引渡しをするまでには、改善の工事がされるのですが、ごく稀にこれらの検査をスルーして、お客様に施工不良の状態でお渡ししてしまうことがあります。
もちろん善意の第三者であるお客様には何の落ち度もありませんので、ご入居後にこれらの問題が発覚したとしても、たいていの場合は無償で施工者が修理をしてくれるのですが、
一番厄介なのが、「フラット」あるいは「ほんのちょっとだけ逆勾配」という、わずかな施工不良が残っていた場合なのです。
この「勾配が余りついていない部分」が一部でもあると、常時、排水はそこに停滞してしまい、詰まりやすい区間として配管内に爆弾を抱えた状態になるのですが、
なにぶん僅かな勾配不良なので、検査で見つけるのが難しく、しかも普段は割とちゃんと流れてくれたりもするので、何かのきっかけで詰まって溢れかえってくるという事態になるまでは発覚することがないのです。
そして住みだしてから数年が経ち、ふとした瞬間に詰まりとして我々に襲い掛かってくるのです。怖いですねぇ。
こうなってくると、一時的な詰まりだろうという判断で、その時だけ高圧洗浄で詰まりを解消するか、勾配不良なので根本的に配管をやり替えないといけない、という判断になるか、調査に行った職人さんが決断を迫られます。
排水詰まりの事例
私もこれまでの職人生活の中で数多くの詰まりを見てきましたが、ほんとに悲惨な状況を幾度となく見てきました。。。
例えば、古い長屋の文化住宅の廊下一帯で、汚水の蓋という蓋から汚物が溢れ返り、誰も廊下が通れなくなったり、(ご入居中のおじいちゃんおばあちゃんは大パニック!)
あるマンションのインターロッキング張りの通路と駐輪場にある全ての汚水の蓋から汚物が溢れ返り、
隣の建物の庭と前の道路まで汚物が流れ込む…といった感じです。
その時の原因は、前者が植物の根の混入、後者が勾配不良+コンクリート桝の劣化だったんですが、どちらもお引渡し後、20年以上経過した後に起こったっていうのが怖い所なんですよね。
だって、元を正せばどちらも施工業者が悪いんですよ。普通に配管をしていれば、配管内に植物の根が入り込むことなんて絶対にないですし、きちんと勾配のとれた配管をしていれば、こんなことにはならなかったはずですから。
でも、修理費用は所有者様が負担しないといけないのです。理不尽ですよね。
…なので、家を買ったり建てたりする時は、施工が信頼出来そう且つ、アフターサービスの充実しているハウスメーカーを選ぶか、
もしお知り合いに信頼の出来る業者がおられましたら、その方にお願いをするか、とにかく水道工事には気をつけた方が良いと思います。
その他、ご入居者様の使用上の問題や、衛生器具の経年劣化による故障などによって起こってしまう詰まりに関しては、防げるものと防げないものとがあります。
例えば洗面所(風呂、洗濯、洗面)に関していえば、普段からこまめに掃除をすることで、詰まりの可能性を激減させることは出来ますし、
仮に詰まったしても、割と簡単な修理で済むことが多いと思いますので、前回のブログでご紹介をしました「カンツール」と呼ばれる小型のワイヤーや、
市販の配管洗浄剤を使って、掃除口をご自身で掃除をしていただければ良いのかな、と思います。
排水詰まりの修理料金の目安
弊社の過去の排水詰まりの修理料金の目安としましては、
・高圧洗浄機を使用しない場合 … 6,000円~30,000円程度、
・高圧洗浄機を使用する場合 … 40,000円~60,000円程度
の価格帯に納まっていることが多いような気がします。
もちろんケースバイケースですので、排水詰まりでお困りのお客様のご参考になればと思います。
ということで、本日は排水詰まりについて掘り下げてみました。